初めて<とんき>に行ったのはハヤサキスタジオのアシスタント時代の事である。
恩師、カメラマンの村田昇氏に「美味しい豚カツ屋さんが目黒に在るから行こうぜ!」と誘われて行ったのが<とんき>との出会いであった。
村田氏曰く「ココの店は美味しいだけじゃなくアシスタントとしての勉強もできるぞ!」と移動の車中で言われた。その意味が店内に入ってすぐに分かった。
店内は油を使う店だというのにとても綺麗で油っぽさが全くない。
カウンター越しの厨房には真っ白い仕事着を着た板さんが10人ぐらい居て各々仕事をさり気なくこなしている。
うぅ〜。勉強になるのはこの事か・・・・・。
更に細かく観察していると色々な事が見えて来た。
とにかく気配りがさり気なくスマートで嫌み無く心地いいサービスをしてくれるのだ。
そして27年が過ぎた今、私も度々アシスタントを連れてくるようになった。
今週もアシスタントのharuを連れて美味しいロースかつを食べて来ました。
そして、haruが厨房にポツンと置いてあった黒電話を見付けた。
何回も来ているが黒電話が有ったとは・・・しかも現役でリリリリ〜ンと鳴っていた。
ビックリ!
そうそう、<とんき>には昔からおばあちゃんが居る。
満席のときはカウンターの後ろの席に座って待つのだが、順番に座ってなくともおばあちゃんがお客さんの特徴を紙に書いてちゃんと案内してくれるのだ。
どっかの怖いラーメン屋と違い順番通り座らなくても怒られないのでご安心を!!!