止まった時間

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昨夜から降り出した雨は今朝には本降りとなり太い雨に変わっていた。

低く重い雨音を車内で感じながら246を走る。

そして、今日は1993年撮影中の不慮の事故により亡くなられたオヤブンことハヤサキスタジオ社長フォトグラファー早崎治氏の命日である。

あの事故から16年が過ぎた。

16年とうい月日は写真業界をフィルムからデジタルへ進化させ、更に素晴らしい画質で動画も撮影出来るまでになっている。その進歩のスピードは物凄い!

私自信、進化しているのだろうか?多分何も変わっていない気がする。ただ使う道具が変わって行くだけで・・・・。

ライティングしてファインダーをのぞきピントを合わせシャッターを押す。

それを16年間続けているだけかもしれない。

そう無意識に思ったのか、写真集の企画制作に今乗り出している。


さて、毎年時間があればオヤブンに逢いに行くのだが、ここ数年撮影が入っていた為、久し振りのお墓参りとなる。

当初、元同僚数人とオヤブンに逢いに行っていたが、最近では1人で逢いに行く事にしている。

1人の方が自分自身が素になれてオヤブンと会話しやすいからかもしれない。

ハヤサキスタジオが在った六本木に近いお寺さんにオヤブンは眠っているので、私達弟子はいつでもオヤブンに逢う事が出来る。

この場所を選んで頂いた早崎夫人に感謝致します。

私はハヤサキスタジオを円満退社した訳ではないく、オヤブンとの意見の相違からぶつかり退社したのだ。

今考えれば私も若かったがあの時はそうするしか無かったと今でも思う。

そして、くしくもオヤブンが逝った日から12日後の23日に私は結婚式を控えていた。

結婚式前にオヤブンに謝り人生の節目となる結婚の報告をしようとしていた矢先の訃報であった。

オヤブンに許して頂かなくとも、筋を通しておきたかった自分勝手な思いだったかも知れないが。

オヤブンの突然の事故死。

昨日、今日、そして明日が自然のように来る事が個人にしてみれば当たり前ではなく、いつ何時自分の時間が止まるかは誰も分からない。

さらに、「行ってきます」と言って外出した人が無言で戻る、心の準備も出来ぬまま逝ってしまう事がどんなに辛い事なのか、あの日痛感した。

悔いを残さず生きて行く事の難しさを思い知った日でもある。

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このページは、澤田スタジオ HOMEが2009年11月11日 10:53に書いたブログ記事です。

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