五感に刺激と欲求を


081226081.jpg
<NikonD3x+N35~70>
フード撮影には色々なカテゴリーが存在する。
僕の仕事を例にすると大きく分けて
1. 外食系メニュー撮影
2. お菓子、アイスクリーム、レトルト等のメーカーのパッケージ撮影
3. レシピ制作での調理例等

1から3のカテゴリーの中からさらにサブカテゴリーで細分化されていく。

例えば外食と言っても和食、洋食、中華・・・・。洋食でもイタリアン、地中海、フランス、スペイン等々沢山有ります。

それぞれのジャンルでの仕来りやマナー等は心得ているつもりだが、撮影本番前の最終的なチェック(ナイフフォークの置き方や皿や料理の位置や回転等)は料理長やフードコーディナーターにして頂くことにしている。

また、朝食の朝日は差し込むようなライティング、アメリカ風タッチの「ドロッとした」ライティング等あげればきりがないほど有るのだが、プロとして全ての技術の引き出しを持っていなければ仕事は成立しない。

フード撮影ではよく言われる言葉に「シズル感」がある。
極論をいえば「シズル感」が全てかも知れない。

そのシズル感は日頃僕たちが口にしている食べ物やドリンクを注意深く観察して学ぶほか無いのである。当然その環境もだ!

常夏の南の島で飲むビールのシズル感。

少し暗いバーカウンターで飲むシングルモルトのシズル感。

握ってすぐ目の前に出された江戸前寿司のシズル感。

授業料だと思い、高いお金を払っても本物のシズルを目の前にして勉強しなければならない。カメラマンとはそうゆう職業でもある。偽物ではいけないのだ。


僕がフード撮影をする時は出来るだけ試写体に寄る事を心がけている。

離れれば離れるだけシズル感が無くなるからだ。

フード撮影に要求される事は多く、人が口にした時の食感や肉汁の出る感覚、香り、暖かさや爽快感、のどごし、人間の全ての感覚に刺激と欲求を与えなければいけないものである。

このブログ記事について

このページは、澤田スタジオ HOMEが2009年3月28日 02:36に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「一色無限のトーン 3」です。

次のブログ記事は「広告写真を学び、ライティングを身に付け、技術を磨いたカメラ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 6.0.3