ドキュメンタリー、報道写真は難しい。
難しいと言うより怖いと僕は思います。
昔はフィルム、今はデジタルで撮影されている写真は、今も昔もレンズ前の事実のみ定着しそれ以上もそれ以下も無い物。
しかし、それが真実かは疑問が残る。
例えば、ある政治家の短いコメントが失言となり釈明会見でよく聞く言葉に「一方的に編集され前後の文脈が無いため誤解された!」と。
事実このようなケースは多くあると思う。
なぜなら、そこに編集者の意思と解釈が本人の意思に関係なく入るからだ。
写真にも同じ事が言えると思う。
戦場で縦位置に撮られた兵士の笑った画像のみ見れば戦争が終わり嬉しくて笑っていると思う事も出来るが、横位置で撮られた画像には笑った兵士のかたわらに息絶えた敵兵士が横たわっていたとしたら全く違う印象に成る事でしょう。
写真は事実のみ定着するがゆえにカメラマンの意思と解釈とモラルに左右されたトリミングによって真実を歪ませる事も出来てしまう怖い物です。
このような話は広告写真にも起こりうるのです。
広告写真は嘘の世界なのか!
自然に見せる為の嘘なのか!
僕達広告カメラマンが一番ナーバスになる案件です。
僕の解釈は嘘では無く自然に見せる為の「隠し味」
広告写真は絶対自然主義で自然に見せる為に創る物です。
創る以上は真実ではない。
しかし、見る側にそれを気付かれたとき嘘に成るとオヤブン(ハヤサキスタジオ社長、早崎治氏)に教えられて来ました。
今のデジタル広告写真の時代にこの話は少し古く聞こえるかも知れませんが、デジタル時代だからこそ、常に大切にして行きたいと思っております。
この画像の話は明日